過去ログ - 櫻子「あかりちゃんが、泣いてた」
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2014/12/11(木) 21:44:57.02 ID:5SZmKa2c0
そこからほんの1分も経たないうちに、曲がり角から櫻子が走って現れた。ひどく息を切らしている。
櫻子「向日葵! あかりちゃん来なかった!?」ぜぇぜぇ
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2014/12/11(木) 21:45:43.16 ID:5SZmKa2c0
〜
コンコン
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2014/12/11(木) 21:46:21.77 ID:5SZmKa2c0
しかし最近、ようやく手がかりを得た。
時折聞こえてくる悲しげな泣き声の中に、「櫻子ちゃん」という言葉が出てきたのを偶然聞いたのだ。
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2014/12/11(木) 21:47:20.94 ID:5SZmKa2c0
〜
部屋の明かりを全て消した中で、あかりはベッドに小さく体育座りをしていた。
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2014/12/11(木) 21:48:17.57 ID:5SZmKa2c0
小さく身を縮めて、あかりはベッドに横たわった。
サイレントマナーにしてある携帯電話は、今なお明るい光を灯しながら、静かに櫻子からの着信を訴えている。
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2014/12/11(木) 21:49:20.50 ID:5SZmKa2c0
櫻子(あかりちゃん……来るかな……)
翌日、櫻子は、あかりと会って話すためにいつもよりだいぶ早く学校に来た。
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2014/12/11(木) 21:50:34.98 ID:5SZmKa2c0
あかり「っ……!」だっ
櫻子「ちょっ! 待って! どうして逃げるの!?」
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2014/12/11(木) 21:51:52.12 ID:5SZmKa2c0
あかりは息を整えながらも、俯いて顔を見せない。
手近にあった椅子にあかりを座らせ、冷え切ったその手を両手で包み、櫻子は優しく尋ねた。
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2014/12/11(木) 21:52:44.14 ID:5SZmKa2c0
櫻子「うっ……嘘じゃん、泣いてるじゃん! 何にもないことないでしょ?」
あかり「なんにも、ないの……」
櫻子「なんにもなかったら、こんなに走って逃げないよ! 電話にも出てくれるでしょ!?」
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2014/12/11(木) 21:53:36.84 ID:5SZmKa2c0
問い詰める櫻子を、あかりは強く抱きしめた。
握られていた手はそのままに、櫻子の胸に飛び込んで、泣き声を漏らした。
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2014/12/11(木) 21:54:08.10 ID:5SZmKa2c0
あかりが大泣きするところを見るのは初めてだった。
その涙を見ただけで、つられて櫻子も泣いてしまう。
どうしてあげればいいかわからない櫻子は、あかりの泣き声が止むまで一緒にいてあげることしかできなかった。
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