過去ログ - 阿良々木暦「ひなウルフ」
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19: ◆8HmEy52dzA[saga]
2014/12/11(木) 23:38:39.20 ID:ey41gLLW0

「……いや、そんなこと……」

「否定しないで自分を認めてやれよ、そんな想いは誰にでもあるものなんだから。それにお前は自分のことを過小評価しているみたいだけれど……荒木は僕から見ても充分魅力的だよ」

本当の、アタシの本音。

それは誰よりも、アタシが知っていて。

「なりたいんだろう、シンデレラに。灰かぶりの現状を、華やかな未来に変えたいんだろう?」

そんなもの、変えたいに決まっている。

漫画を描くのが好きで、仲間内でオタクの世界に埋没するのがアタシの生き方だと思っていた。

アイドルなんて、選択肢の中にすらなかった。
いや、あるにはあったのだが、それを選ぶ程の勇気もなければ、自惚れてもいなかった。

でも、アタシだってこんなんでも女の子っスよ。

「アタシでも、アイドルになれるっスかね……?」

「ああ、なれるさ。ガラスの靴も、綺麗なドレスも、かぼちゃの馬車も僕が用意してやる。だが――」

阿良々木さんはアタシに手を差し出す。

ううん、でもやっぱり抵抗はあるんスよね。
何せ今までそういうのとは無縁の人生でしたから。

ああ、でも、夢ならいいか。

夢なら何をしても自由だ。

「舞踏会で踊って王子様の心を射止めるのは、お前の役目だ。荒木」

「そっスね……じゃあ、悪い魔法使いに騙されてみまスよ」

阿良々木さんの手を取る。

「荒木!?」

遠くで金髪さんが狼を十字架を貫くを目にすると、アタシの意識はゆっくりと遠のいて行った。



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