過去ログ - 阿良々木暦「ひなウルフ」
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20: ◆8HmEy52dzA[saga]
2014/12/11(木) 23:40:13.95 ID:ey41gLLW0



007



後日談というか、今回のオチっス。

目が覚めると、雑多とした控え室にアタシはいた。
同じ部屋では由里子ちゃんが薄い本を読んでいる。
勿論、さっきことりのあなで買い漁った腐ったおとめ御用達の本だ。
ちなみにアタシはNL派なんであんまり読まない方っス。

「…………」

「あ、おはよう、比奈ちゃん」

「おはようっス……」

どうやら控え室でうたた寝をしてしまっていたらしい。

そうだ、今日はアキバで由里子ちゃんとコンビの仕事でした。

「大丈夫?結構ぐっすり寝てたみたいだけど」

「最近忙しかったせいか……寝る前にちょっと妖精さんが見えたっス……」

「妖精さん?」

「いるじゃないっスか。三日くらい寝ないと出てくる」

「いるいる。追い詰められてると特にねー」

修羅場あるあるその3っスね。

「あたしの場合、ムキムキマッチョな妖精さんなんだよね……もっと美形がいいのに」

それは……どうなんスかね。

それにしても懐かしい夢を見た。あれはプロデューサーさんと出会った時の夢だ。
ぶっちゃけ今でも夢だと思っている。
だってあんなマンガの中でしかないような出来事、笑うしかないじゃないっスか。

あの時、詳細に何があったのかはプロデューサーさんにも聞いていない。
こっちから聞かない限りは、プロデューサーさんも話すつもりはないのだろう、あの日の事は一度も口にしていない。

でもプロデューサーさんと金髪美人さんが何かアタシの問題を解決してくれたこと、そしてプロデューサーがアタシに熱く語った事は覚えている。

あの日の出来事は、夢でいい。
プロデューサーさんも言ってたことだし、夢と思っておこう。

と、噂をすれば何とやらで、プロデューサーさんが扉の向こうからやって来る。

「そろそろ出番だぞ、二人とも」

「……なに、プロデューサーそのカッコ」

「……突っ込んだ方がいいっスか?」

「……突っ込む?どこに?」

プロデューサーさんはいつもの一張羅スーツではなく、鉢巻きと法被を着てメガホンを持っていた。

あと由里子ちゃん、変なとこに反応しないで。



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