過去ログ - 【艦これ】勇者「僕がキミを守るよ、春雨」 春雨「勇者さん……」
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13: ◆ATK1PCranA[saga]
2014/12/13(土) 18:31:05.60 ID:un33q1On0
一つは、今まで静観していた榛名が春雨とヲ級を結ぶ射線上に割り込んだこと。

そしてもう一つは――――

春雨「勇者、さん……?」

勇者「……」

僕が、春雨を後ろから抱きしめて、砲弾の狙いを外したことだ。

春雨「何、するんですか。何で、私の邪魔を……」

勇者「……」

春雨「私が今まで何のために戦ってきたか、知ってますよね?なのに、何で――――」



勇者「……だって、僕は勇者だから」



勇者「僕は、困ったことを助けることが役目だ。だから、止めた」

春雨「……私より、その深海棲艦を優先するんですか?」

勇者「どっちを優先するとかないよ。だって春雨。キミ――――」

――――泣いてるじゃないか。

春雨「え?」ポロポロ

春雨はヲ級を撃つ前から、目から涙をこぼしていた。まるで、撃ちたくないと訴えるかのように。

本来、春雨は気弱で、引っ込み思案で、臆病で、優しい子なのだ。それくらいは、たった二か月しか付き合いのない僕でもわかる。

勇者「本当は、嫌だったんだろ?誰も殺したくなんてないんだろ?だから、泣いているんだろ?」

春雨「わた、しは……」

勇者「僕は勇者だ。困っている人、傷つきそうな人を助ける義務がある」

勇者「僕は今回、キミに撃たれそうなヲ級も助けようと思った。でも、それ以上に」

勇者「敵を撃つのも躊躇ってしまうような優しいキミの涙を見たくなかった。敵を殺して傷つくキミを見たくなかったんだ」

春雨「勇者さん……」

勇者「ほら、春雨。笑って?僕はキミの笑顔が見たいんだ」ニコッ

春雨「は、い……」ニコッ

それは涙でぐしゃぐしゃの笑顔だったけれど。

とても、綺麗な笑顔だった。


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