12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/14(日) 00:44:14.10 ID:QcmbvjXlo
自ら学び、危険と理不尽を避けて寝床に着く
生物として当然の営み。生命あるものの揺るぎない行動
それを人間は他の生物とは異なる方法で行っているだけだ
だから、正しい
京太郎「(正しいが故に……間違っている)」
人は、正しさだけで生きているのではない
正しさだけで満たされるのであれば法は必要ない
言語も、通貨も、統治者も、隷属者も。何も必要ではないのだ
正しくある人々によって構築された社会は滞りがなく
互いが互いに「正しく在れ」と信任している状態
だが、実際問題として京太郎の生きている社会はそうはなっていない
人には心がある
自分がどこへ向かいたいのか、どう在りたいのかを決めるものだ
それが、時に正しさから反しながらも――
人類を先へ、前へと歩ませる原動力となってきた
その蠢動を「正しく在れ」と言って頭ごなしに否定するのは
間違っている
京太郎「(それもまた『正しさの押し付け』なんだろうけど……)」
この世界に絶対的な正義など存在しはしない事も分かっている
互いが互いに異なる主義主張を掲げて、お前は間違っていると
どちらかが倒れるまで血みどろの殴り合いを演じているだけだ
どちらがより大多数の人間から賛同されるのかというだけで
「お待たせしましたっす」
京太郎「ありがとう」
「ごゆっくりどうぞ」
出口の見えない思索を打ち切って京太郎は
給仕服を着込んだ女性が運んできたコーヒーを口にする
ついぞコーヒーの味の良し悪しなどは気にしたことはないが
この店のそれはどこか安心できる温かみがあるように思っていた
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