34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/14(日) 01:19:51.77 ID:QcmbvjXlo
京太郎「そして俺はまた、彼女を閉じ込めた」
京太郎「自分で始めたことだ、自分で決着を付けなければ意味がない」
京太郎「小さい頃に言われませんでしたか?」
京太郎「遊んだ玩具はちゃんと片付けなさいって」
京太郎「だから元の籠の中に戻した」
京太郎「……それは貴方たちも望んでいたでしょう?」
「あんなことになるなんて知らなかったからよ……!」
「知っていたとしたら止めたわ!」
京太郎「止めて、どうするんですか」
「っ……!」
京太郎「解き放つことすら選べなかった貴女に」
京太郎「何ができたって言うんですか……」
これ以上の問答は無意味だとでも言うように
京太郎は洋風建築の門をピシャリと閉めた
長い黒髪を風に揺らし、表情を悔しさに歪める巫女には
二度とは振り返らずに玄関までの道のりを歩く
相も変わらず、須賀京太郎という人間は人の気持ちが分からない
気持ちを察するために必要な『扉』を全て捨てて“向こう側”に渡り
“向こう側”で得たものもまた捨て去って戻ってきたのだから
その事実は当然とも言えるだろう
彼は“現状”が理解できない
人間の気持ちが理解できないから
それを抜きにした“現実”しか理解が及ばない
先程の女性と決別できた理由もそれだ
感情論に全く理解も共感も得られず
己が正しいと思ったことと異なる意見であれば
全力を挙げて叩き潰すことしかできないからだ
正しく、無慈悲で、残酷
感情に左右されず理性のみによって行動できる
故に、彼に迷いはなく――無敵
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