61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/14(日) 01:50:10.53 ID:QcmbvjXlo
「昔々、あるところに一人の女の子がいました」
「その女の子は何でもできる……というワケではありませんが」
「別に一人でもそれなりにやっていける。そういう娘でした」
「一人でやっていけるが故に、そこで完結した世界」
「誰にも干渉されず、自ら誰かに干渉することを望まず――」
「彼女は独りぼっちでした」
「けれども不自由ではありませんでしたから」
「そのことを気に留めていませんでした」
「でも、転機は訪れます」
「彼女に手を差し伸べてくれる人たちがいたんです」
「本当に偶然で、大した事のない理由での邂逅」
「接点だってなくて、関わり合いになるはずなんてなかった」
「でも、その人たちは『独りぼっちは寂しいだろ』って」
「完成されきった世界から、彼女を連れだしたんです」
「勿論、閉ざされた世界から出て初めての感覚に戸惑いましたけど」
「決して不快なんかじゃなくって、寧ろ」
「――温かくて、幸せだった」
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