過去ログ - P「天海春香は笑わない」
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103: ◆VeVueAKr8Y[saga]
2015/05/31(日) 21:46:06.14 ID:Rp9oMGUuo

「翔太、くだらないこと考えるなよ?」

「……え? なんのこと?」

そんな、いつものやり取りをしていると、

『――やっぱり、君はあの日殺しておくべきだったね』

春香さんが言った。
いや春香さんの顔をした何かが言った。

その声だけで、変わった、とわかってしまうくらいそれの声は怖かった。

冬馬くんが吹き飛ばしてくれた恐怖、怯えが数倍の大きさで返ってきた。

『君たちは“春香ちゃん”と“私”を舐めすぎだ。
欠片を与える価値もない、凡夫どもが……調子に乗るなよ?』

冬馬くんですら、じわりと額に汗を垂らした。
でも、冬馬くんだけが、一歩もひかずに耐えている。

緊迫した空気の中に、突然乾いた音が鳴り響いた。

『……ニュルンベルクのマイスタージンガー……』

その口笛を聞くと、日高舞はニヤリと顔を歪めた。


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