105: ◆VeVueAKr8Y[saga]
2015/05/31(日) 21:54:04.30 ID:Rp9oMGUuo
〜〜〜
『……』
『……』
日高舞とブギーポップは無言のまま睨み合っている。
『……壊すつもりだったんだよ?』
いきなり日高舞が口を開いた。
『でも、壊れなかったから……面白いと思って計画を少し変えたんだ。
あ、私の天敵になる可能性もちゃんと考慮にいれてたよ?』
天敵とは、ブギーポップの事だろう。
やはり、冬馬が……?
いや、いまは考えるのはよそう。
未だその姿は見せないが、会話はしたしここにいるのは間違いないのだ。
『ジュピターの三人はさ……なんというか最初からほぼ完成形なんだよね。
それを未完成の765プロが見たら、やる気なくなっちゃうと思ったんだぁ。
それで壊れなかったし駒にしちゃえって感じかな?
だから、大切な欠片はあげなかった。
あ、冬馬だけを壊そうとしたのは冬馬がジュピターの核だからだよ?
冬馬がいなきゃ翔太と北斗はアイドルなんかにはならなかったんじゃないかなぁ?
その代わり、晴れる事のない霧をずっと抱えていたと思うな、だからむしろ感謝して欲しいわ』
駒……か。
日高は現765アイドル共の成長性を知っていたということか……。
基礎値は間違いなくジュピターが格上だが、成長性を考慮して限界値まで能力をあげたら差は無くなる、そういうことか。
『でも、正直アイドルとしての冬馬は期待はずれだったなぁ。
ちょっといじって壊れなかったから今でいうSランクにはすぐたどり着くと思ったけど……春香ちゃん、千早ちゃんが先にたどり着いちゃったし』
日高がバカにするようにジュピターをジロリと睨んだ。
「――ふふふ、それは単にあなたが春香ちゃんたちを見誤った、ということじゃあないんですか?
その二人の成長性を舞さんが見誤った、それだけですよ……なんでも思い通りになると思ってるから、そんな的外れなことを恥ずかしげもなく言えちゃうんです」
完全に言葉を失ったジュピターの代わりに、日高に異を唱えたのは私が良く知る私たちの最大のアイドルだった。
『……小鳥か、久しぶり、だね』
またもどこからか声が響く。
至近距離に固まっているにも関わらずその声の出どころはわからない。
「そうだね、ブギーポップ。
ついでに、あんたにも言っておくわね……世の中すべて自分の思い通りになると思うなよ?」
不敵に笑っているが、いまの言葉は自分は日高の敵であり、そしてブギーポップの敵でもある、と宣言したも同じだ。
一体この子は……何をやらかすつもりなのだろう、と懐かしい不安が胸をよぎった。
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