19: ◆VeVueAKr8Y[saga]
2014/12/16(火) 00:40:17.00 ID:CDIukalho
「千早、おーい?」
「……あ、ごめんなさい。ぼーっとしてたわ。
何か用?」
楽譜片手にぼんやりしていると、我那覇さんが私の顔を覗き込んでいた。
「自分今日はもう仕事ないから千早もそうならご飯でもどうかなって思ってさ」
「……仕事はないけど、少し疲れたから今日は早く休みたいの。ごめんなさい」
きっと少し前の私なら一言「行かない」と言っていただろう。
「でも、帰りがけにお茶くらいで良かったら付き合うわ」
今はまだ午後三時。
夕飯にははやいが丁度おやつの時間である。
「お、じゃあ行こう! しっかし、ピヨ子がいない事務所は違和感が半端ないね」
音無さんは今日は高槻さんについている。
中学生組、特に高槻さんと亜美真美には高校生組か大人が必ず付き添うようにと社長から言われているらしい。
本来ならば春香と行くはずだった仕事なので、プロデューサーも律子も空いていなかった。
だから、音無さんがついて行ったのだ。
「……ところで事務所って無人でいいのかな?」
「社長もいないの?」
「うん、さっき自分と入れ違いに少し出ていくって。鍵預かった。
帰るなら帰ってもいい、鍵はたるき亭に預けろって」
社長がいいというならいいのだろうが……それは会社としてどうなのだろうか。
「社長に電話して聞いてみる?」
「社長の番号知っているの?」
「へ? 当たり前だろー。だって雇い主だぞ?」
当たり前なようなそうでもないようなことを言って彼女は電話をかけ始めた。
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