過去ログ - 【艦これ】提督「壊れた娘と過ごす日々」【安価・コンマ】
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170: ◆oeBS4v7bwY[saga]
2014/12/20(土) 23:25:18.56 ID:hpA7FOiQo

 横殴りのような嵐の中で、ふらふらと一隻の小さな影が見えた。

 海上での動きそのままに、港に上がったあとも雨に押しつぶされそうな弱々しい足取りで二三歩歩いたかと思うと、その場に崩れ落ちた。

 十メートルか二十メートルか、嵐のせいでその距離でさえもあやふやな中、ようやく彼女の姿をはっきりと確認する。

「雪風! 無事か!」

 と同時に、その異様な姿に、一瞬だけ駆け寄る俺の脚が鈍くなりそうになって、すぐにそんな考えを捨てさった。

 うわ言のように口許を動かす雪風。短い髪は乱れ、頬に張り付いたりしている。

『──しれぇ』

 普段は白く清楚な服も、ボロボロに解れ、或いは破れ、その服の下から痛々しい傷跡が零れて見えた。

 しかし、雨や海水で染みるであろう傷にも一切反応することはなく、ただ俯いてうわ言を繰り返す雪風。目の焦点は全くと言っていいほどあっておらず、はっと自分の心臓が一瞬跳ねるほどの恐怖を感じた。

 そんな雪風を宥めるべく抱きかかえようとして──

「その……それ……」

『雪風……生還……しました……』

 ──ようやく、それに、気がついた。




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