過去ログ - 【艦これ】提督「壊れた娘と過ごす日々」【安価・コンマ】
1- 20
591: ◆oeBS4v7bwY[saga]
2014/12/27(土) 01:05:46.14 ID:aWjLkdQPo

榛名「提督、間もなく帰還します」

提督「ああ、分かった」

 くいくいと袖を引っ張られて見下ろすと、いつの間にか傍らに伊58が居た。

 怯えながらも、長袖の肘の当たりを遠慮がちに引っ張る彼女に釣られて海を再度見る。

 良く目を凝らすと、榛名達から百メートルほど離れた辺りの海面に、何かが浮いているのが分かった。

 最初は流れ着いた木材かと思ったが、どうにも様子がおかしい。

 双眼鏡に目を当てると、それは確かに艦娘だった。

 ふらふらと舵取り怪しくよれたかと思うと、そのまま海岸へと倒れこんだ。

提督「榛名、聞こえるか?」

榛名「はい、なんでしょう?」

 その様子をくまなく榛名へ伝えると、

榛名「分かりました、合流します」

 といい、海面に“く”の字を描くように左に折れた。

提督「一人……いや、二人、か?」

伊58「……」

 なんにせよ、伊58のおかげで間に合いそうだ。

提督「ああ、ええと。伊58」

 そう思い、彼女の名前を呼ぶとびくりと肩を震わせ、摘んでいた手を離し、一歩二歩と下がってしまった。

提督「よく見つけてくれた、ありがとう」

伊58「……、ん、ん、と」

 ふるふると首を振る。

提督「目がいいんだな」

伊58「ん、と。うん、目、いい、よ」

 ぎこちなく、それでも彼女は軽く微笑んだ。

 初めて彼女の顔をちゃんと見たと、今になってようやく気付いたが、そういえばこの鎮守府で微笑んだ顔を見るのも初めてだと思った。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/319.25 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice