過去ログ - 【艦これ】提督「壊れた娘と過ごす日々」【安価・コンマ】
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618: ◆oeBS4v7bwY[saga]
2014/12/27(土) 02:44:58.15 ID:aWjLkdQPo

提督「──何を、やっているんだ……!?」

 母港から見えた光景に、思わず俺は声を震わせた。

 息を切らせ、歯を食いしばりながら、必死の形相で深海棲艦に攻撃をしている加賀。

 もんどりうちながら海面に倒れる深海棲艦一体と加賀を挟んで反対側にも深海棲艦。

 そこから少し離れた所にも波に流されるだけの深海棲艦が居た。

提督「四対一で戦っているのか……!?」

 ありえない。

 いかに加賀の錬度が高かったのだとしても、それはもうそういう次元ではないのだ。

 四方から一斉に取り囲われたら、死角から攻撃されたら、もう錬度も何も関係ない。戦法も何もない、ただの数に任せた横暴で粗暴な戦い。

 そして、それは間違っていない。それが正解なのだ。

加賀「っ、くっ……!」

 主砲をバラ打ちしながら、加賀が水面を走る。

 背後の敵をやり過ごし、脇腹へ銃弾をねじ込む。

 雄たけびをあげながら深海棲艦が海面へ倒れた。

 と同時に、最後の一体であろう深海棲艦が、加賀の右から口を開けて迫る。

 やや反応の遅れた加賀だが、すぐに反転して大きく開いた口めがけて銃を打ち込んだ。

加賀「はぁっ……はぁっ……」

 よろよろと揺らめきながら加賀が水面を滑り、一度だけ倒れこみそうになりながらも何とか持ちこたえる。

加賀「……、……!」

 苛立ちを紛らわすかのように、背に携えた矢を抜き、近くに浮いていた深海棲艦の死体に突き刺す。

 その行為に意味はなく、本当に苛立っていただけなのだろう。

 それでも、呼吸を整えながら矢を抜いた加賀の瞳は、深海よりも遥か遠い、あの時の暗く濁った瞳のように見えた。




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