過去ログ - 【安価&コンマ】花村「ありとあらゆる肉体を貪りつくすよ!」4
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259: ◆yrrWowwxP2[saga]
2015/01/23(金) 22:23:46.17 ID:qscOCkSq0
小ネタ#あのころの悪夢


常夜灯の光が、暗いオレンジ色に部屋を照らしている。
前は部屋を暗くして寝るのが怖かったけれど、最近はこのあたりなら普通に気にせず眠れるようになってきた。


西園寺「…………」

石丸「……グゥ」

西園寺(清多夏のほうは、部屋が暗くて寝れないみたいなことはなかったんだっけ)


わたしも、目を閉じる。
小さい頃の清多夏ならともかく、今の清多夏ならもし怖い人が来ても追い返してくれるはず。




両親とではなく、祖母と暮らすようになってから自分だけの部屋ができた。
だけど、まだまだ人恋しかったわたしは、いつも一人の布団で少しだけ泣いて寝ていた。
それに、うちにはおばけがいた。
布団の中にネズミの死んだのをいれたり、おやつに針を仕込んだりするとてもとてもイジワルなおばけがいた。

だけど、そんなおばけが関係なくなる時も一応あった。
それが、外から誰かが来る時だった。
お客さんがいるときはイジワルなおばけが出ない。
お客さんが泊るときは布団もきれいなままだし、一緒のおやつを食べてたら画鋲や針は出てこない。
わたしがかわいくふるまってお客さんがよく来てくれるようになれば、わたしはおばけに泣かされずに済む。
だから、わたしはうちにくるうちの人以外のお客さんに愛想を売るのがどんどん上手になって行った。

そんななかで、一番たよりになったお客さんが、清多夏とそのお爺さんだった。

清多夏が泊まることはあまりなかったけれど、その時は子供同士だから布団に一緒に入っても特に何も言われない。
一人で寂しい夜を過ごさずにすんだし、ちょっと話が通じないけど、わたしのことかわいがってくれてるのがわかってたから嫌いじゃなかった。

お爺さんは、おばあちゃんと仲良しだったみたいで、ちょくちょく来てくれていた。
わたしが清多夏はいないのかとちょっとしょんぼりして見せるだけで、次の機会にはできるだけ連れてきてくれたし、甘えて損の無い人だった。



その日は、本当なら清多夏は来る予定も、当然泊まる予定もなかった日だったのに
家の中に残るのが数名のお手伝いさんとわたしだけで心細いだろうからとお爺さんが清多夏を連れてきてくれていた。

お爺さんは家の近くで行われる会合のために来ていて、その会合におばあちゃんを含む親戚数名も参加するという話だった。
もどってくるのは深夜になるから寝ておきなさいと言われていたから、お手伝いさんの作った食事を二人で食べて、
わたしの部屋からははなれた、客人用の部屋で布団を敷いて寝ている清多夏のとこにもぐりこんで、寂しさの和らいだ眠りについた。


その眠りが、ばたばたとうるさい足音で急にとぎれた。


清多夏「……?」

日寄子「うぅ……なんだろう?」

清多夏「……おじいさまたちがもどってきたのかな?」

日寄子「ううん 清多夏のお爺ちゃんも、うちのおばあちゃんも、親戚の人達も……こんな下品な足音しない」


家の中に知らない人がいる、という事に気づいたわたしたちは、じぶんたちのいる部屋のふすまに棒をつかえさせて
部屋の隅の方で布団をかぶってやり過ごすことにした。


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