過去ログ - 理樹「二木さん達と過ごすのもあと2日か…」
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83:名無しNIPPER[saga]
2014/12/23(火) 22:54:55.05 ID:gA4EH/XQ0
研究室

「ありがとう、まさかここまで運んでくれるとは」

佳奈多「私が悪いんですから当然です」

佳奈多(研究室はきっちり整理整頓されていて清潔感溢れていた)

「そういえば君の名前を聞いていなかったね。いや大丈夫、報告はしないよ」

佳奈多「二木佳奈多です」

「そうか、よろしく二木君。私は…うん、ジョンと呼んでくれ」

佳奈多「何故貴方は偽名なんですか…」

佳奈多(私の疑問には答えず彼は私に背を向けて言った)

「それより見たまえ二木君」

佳奈多「はあ」

佳奈多(彼は並べられた試験管の中で一番手前にあった物を選びこちらに持ってきてきた)

「今やっとヘモグロビン以外では絶対に沈殿しない試薬を作れたんだ」

佳奈多「それがどうかしたんですか?」

「分かっていないな。どれ…」

佳奈多(そういうと千枚通しを自分の指に突き刺し、したたる血をピペットで吸い取った)

「さて…この、ほんのわずかな血液を1リットルの水に混ぜてみよう、見ろこれではふつうの水と変わりないね」

佳奈多(これから何が始まるのかよりも私は傷付けた指の方が心配だった)

「血液の割合はせいぜい100分の1ぐらいだ。だがここまで薄めた水でも私が作った物では、ハッキリとした反応が見られるはずだ」

佳奈多(彼は容器の中に白い結晶を放り込み、さらに透明な液体を数滴たらした。すると、たちまち水はにぶい赤褐色色に変わり容器の底に茶色の沈殿物が生じた)

「それみろ!こいつがあればどんな血痕でもきちんと反応するんだ。私がこの世にもう1世紀ほど早く生まれ落ちて発見していたなら私はホームズと肩を並べて賞賛を浴びたに違いない」

佳奈多「一から作れたというのは驚きですがその1世紀前もこんな施設があるといいですね」

「君は人の喜びに水を差すのが好きなのか、まるで私の母さんの様だ」

佳奈多「すいません、つい口が滑りました」

「………まあいい。所でこちらのビーカーを見ていてくれ、こちらもさっきのには負けず面白い効果を発揮するぞ…」



佳奈多(それから後で知ったことだけどこの人と私は10歳年が離れていた。でも私は知らずのうちにこの見ていて飽きない彼の行動と紳士な性格に次第に興味を抱き始めた)


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