15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:37:03.69 ID:P/0rTjJso
「あの熱、憂が治してくれたんだよね」
ひとりごとが聞こえた。
言葉と息は薄闇ににじんで、オレンジの灯りの方へ溶けて消えていく。
死んじゃうかと思ったんだよ、って言ってた。
死、という響きに思わず指を強める。
握り返してくれる。
「憂、受験勉強どう?」
そんな世間話、反射で返事してしまった。
「うん、がんばってるよ。
もうB判定だから、大丈夫だよ」
よそ行きの声は、この部屋には似合わなかった。
変に響いた声のかたちがたまらなくって、私は布団の中に潜り込んだ。
お姉ちゃんも布団をかぶった。
そこで、私がこっそり付け足した。
ううん、
最近あんまり集中できないの。
このままだと、だめかも。
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