117:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 08:05:00.89 ID:DL0z8tZuo
空には鮮やかな青に蜜柑色が夢のように塗られていた。
風は涼しく、道端に花が咲い、私は五月を思い切り呼吸した。
「忍ちゃん!」
少し行った歩道へ、忍ちゃんは立ち止まっていた。
走り寄ると、彼女はいきなり私の頬を平手で打った。丸い目に涙が浮かんでいた。
「馬鹿!」
忍ちゃんは、私を抱き寄せて何度も馬鹿だと言った。
私を強く抱きしめて、首筋に涙を零した。
「まゆちゃんの馬鹿……」
「ごめん、ごめんね。忍ちゃん……」
私はそれだけ言うと、声を上げて泣いてしまった。
夢から覚めた子どものように、確かめるように抱き合った。
忍ちゃんの身体は温かで、呼吸していて、脈拍があった。
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