13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 06:50:03.92 ID:DL0z8tZuo
 「工藤忍をどうぞよろしく」 
  
 「ねぇ、アタシにも心の準備というものが……」 
  
 「いいかげん慣れてもらわないと、ロクに紹介もできないや」 
  
 「だ、だけど……」 
  
  少女は恥ずかしそうに彼の袖を引っ掴んだ。 
  彼は構わず、私の方へ向き直った。 
  
 「改めて、返しに来てくれてありがとう。 
  せっかくだし夕飯くらいごちそうしたいんだけど……あいにく、時間が」 
  
 「気にしていません。私が忙しいところに来ちゃったから」 
  
 「本当にごめんね」 
  
  彼は少女の方を振り向くと、苦笑した。 
  
 「じゃあ、また」 
  
  少女はやっと袖を離して、彼と並んで歩き始めた。 
  時折、振り返って、丸い目を私の方へ向けているようだった。 
  私は二人の後ろ姿を見つめていたが、直に帰路を歩いて行った。 
142Res/83.83 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
板[3] 1-[1] l20 
	このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
	もう書き込みできません。