82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:44:08.40 ID:DL0z8tZuo
「は、はい……ぴったりです」
彼の両手の離れた私の左手首には、時計の赤いバンドが巻き付いていた。
左手をそっと耳元へ近づけると、心臓の鼓動のように時間の落ちる音がした。
「ありがとうございます。すごく……すごく嬉しいです」
「よかった。……うん、似合ってる。きっと似合うと思ったんだ」
それから、時折私は手首を反して時計を見た。
レッスンや歌う曲について話し終える頃には、分針は一周していた。
見ているときは秒針だけがカツカツと歩くようなのに、
目を離している隙に分針は五分も十分も先へ進んでいる。
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