87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:48:28.56 ID:DL0z8tZuo
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白く晴れた午前、私はレッスンスタジオに一人で居た。
プロデューサーさんは打ち合わせがあるからと、私に待っているように指示をした。
スタジオの床には冬の面影を残した空気が漂っている。
壁一面の鏡にアップライトピアノと私が気まずそうに佇んでるのが見えた。
私はそっと鍵盤の蓋を持ち上げて、鍵盤の一つに指を置いた。足元へ音が落ちる。
スタジオのドアを一瞥して誰も来ないことを確かめると、私は椅子へ座った。
ピアノを習ったのは一年間か、半年間か、それとももっと短かったかしら。
左手で弾く音を何度か確かめる。右手も同じように。
以前も決して上手だったとは言えないけれど、両手の動きは錆びたようにぎこちない。
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