過去ログ - 【オリジナル】大群が追ってくるから逃げる【安価】
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◆odi1zv6wyo
[saga]
2014/12/20(土) 22:22:21.00 ID:PNRQdKDyo
「や、やああああああ!!!」
女子生徒の一人が教室から逃げ出したのにつられるように、教室の中の生徒が逃げ出した。
全員が逃げたころ、安川もついに恐怖に耐えきれなくなり、その場の全てを見捨てて逃げ出した。
蝶が口に入っていった女子生徒も、綾崎も、首を捻られた男子生徒も、全て、安川は見捨てたのだ。
そもそもバスであの惨たらしい光景を見た時点で安川の心は限界だったのだ。
人間の頭蓋は原型を止めていなかったあの頭部は脳裏に焼き付いて離れない。
それだけではない。
今日見た血だまりや、180度曲がった首、そしてこの教室での惨禍、どれも鮮明に焼き付いている。
人が死ぬ瞬間を見たことなんて安川には無かった。人を殺したかもしれない罪悪感なんて味わったことも無かった。
――――こんなはずじゃ無かったのに。
下唇を噛み締め、震える手で、すがるように安川は上川のハンカチを口元に巻く。
安川は一秒でも早く、上川たちの居た空間に戻りたかった。
ただただ、安息を欲していた。
きっともう職員室に移動して、コーヒーでも啜りながら自分が戻ってくるのを待っているだろう、と安川は想像を膨らませ一目散に職員室に向かう。
そこには期待通りの上川、広瀬、そして先ほどの教室から逃げ出した生徒たちが居た。
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