過去ログ - 提督「私と一緒になってくれ……古鷹」
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2014/12/21(日) 23:11:40.97 ID:6Qu5AGcp0
コーヒーを飲み干すと、突然に提督が切り出してきました。
「なぁ古鷹、お前って誰かに甘えたことってあるか?」
「えっ……?」
甘える……? 提督の意図が読み取れなくて、私はきょとんとしてしまいました。
「お前って古鷹型の長女だけでなく、重巡洋艦のお姉さんみたいなもんだし、ずーっと皆の面倒をみる立場にいただろ?」
そう、私は古鷹型の一番艦にして、一番最初の重巡洋艦。
だから私には、皆をまとめなくちゃいけないという使命感がありました。
「それでいて秘書艦をしているから、鎮守府の艦娘を取り仕切っている状況だ」
提督は、憐れむような顔を見せて私の方を向きました。
「そして艦娘には……現状において父や母というものも存在しないんだよな……」
提督はそのまま、私の頭を優しくなで始めました。
「お前は、すごいよ。誰にも甘えず、長女として、秘書艦としてみんなをまとめるなんて」
途端に、自然に私の視界がぼやけ始めるのを感じました。
私の中でほとんど失いかけていた想いが、湧きあがってきました。
「だから……私の前では、無理をしないでくれ。古鷹」
「……提督」
もう私は、自分の中での高ぶる感情を押し殺すことができませんでした。
「胸を、貸してくれませんか……?」
「どうぞ」
私は提督の懐へと飛び込みました。そして、顔を軽く擦りつけました。
誰かに甘えるなんて、これまであったでしょうか……?
日々の使命感に追われて、私は誰かに甘えることはありませんでした。
それどころか、甘えるという感情すら忘れていました。
だから、私は気付いたんです。
「提督だって……」
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