過去ログ - 女勇者「帰還後王子と結婚できると思っていたら」
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◆WnJdwN8j0.
[saga]
2014/12/26(金) 10:21:51.85 ID:U3XG8LXV0
間違いなかった。
私の大事な仲間だった魔法使い。
私を崖から突き落とした魔法使い。
私の代わりに、王子の妻となる魔法使い――。
魔法使い「子供の頃にも来たわね。あの頃は無邪気だったもんだわ」
王子「そうだね」
2人は並んで、湖畔のすぐ側に腰を下ろした。
私は――出ていこうにも、頭が混乱して足が止まっていた。
王子「本当に無邪気だったね。僕は花で指輪を作って、君にプロポーズした」
魔法使い「花は枯れちゃったけど、その時のことはずっと忘れていない――だって、大事な思い出だったから」
王子「…うん」
――これは、この2人は、何を言っているの?
魔法使い「私、本当はずっとずっと――あんたが勇者の夫になると決めた時も、ずっと――」
王子「…魔法使い」
勇者「――!?」
魔法使いの言葉を遮るように、王子は彼女の唇を塞いだ。
――何を、しているの?
目の前の光景は月光が見せた幻影。そう思いたくなる位、私には受け入れがたい光景だった。
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