過去ログ - 渋谷凛『シンデレラ』 -SS速報VIP

過去ログ - 渋谷凛『シンデレラ』

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22:名無しNIPPER[saga]
2014/12/25(木) 00:32:49.12 ID:ZQ+fl9qdo

　「加蓮は、プロデューサーのどこが好きなの？」

　「ん？んー……ほら、私って最初さ、ひどかったじゃん？」

23:名無しNIPPER[saga]
2014/12/25(木) 00:46:32.91 ID:ZQ+fl9qdo

　「あたしのはラブじゃなくてライク！ライクだから！」

　「うん。わかるわかる」

24:名無しNIPPER[saga]
2014/12/25(木) 10:13:31.33 ID:ZQ+fl9qdo
― ＝ ― ≡ ― ＝ ―

　「すごい……拍手、まだ聞こえてる」

三度のアンコールを終えて、舞台袖に帰って来た。

25:名無しNIPPER[saga]
2014/12/25(木) 11:09:48.38 ID:ZQ+fl9qdo

　「Pさん」

奈緒が、手を差し出す。
プロデューサーが、その手をしっかりと握り締めた。

26:名無しNIPPER[saga]
2014/12/25(木) 11:30:16.36 ID:ZQ+fl9qdo

　「大好き。私と付き合ってください」

27:名無しNIPPER[saga]
2014/12/25(木) 11:43:51.66 ID:ZQ+fl9qdo

　「……やっと、言えた」

失恋してしまった女の子は、けれど晴れやかな表情だった。

28:名無しNIPPER[saga]
2014/12/25(木) 11:59:19.85 ID:ZQ+fl9qdo

悪戯っ子のような雰囲気が身を潜めて、加蓮が微笑みを浮かべる。
プロデューサーの背に腕を回して、ぎゅっと抱き着いた。
……長年の戦友だ。ここは、見えないフリをしてあげよう。

29:名無しNIPPER[saga]
2014/12/25(木) 12:29:51.39 ID:ZQ+fl9qdo

　「それじゃあ、またね。――プロデューサーさん」

30:名無しNIPPER[saga]
2014/12/25(木) 12:35:59.11 ID:ZQ+fl9qdo

そしてプロデューサーと二人、舞台袖に残される。
加蓮の足音が遠く響いて、やがて聞こえなくなった。

　「加蓮、綺麗だったね」

31:名無しNIPPER[saga]
2014/12/25(木) 13:04:21.78 ID:ZQ+fl9qdo
― ＝ ― ≡ ― ＝ ―

五月も、そろそろ終わろうとしていた。
早ければ来週には梅雨入りするらしいけど、今日の空は知った事じゃないとばかりに蒼々としている。

32:名無しNIPPER[saga]
2014/12/25(木) 13:38:55.25 ID:ZQ+fl9qdo

初夏の風に吹かれながら、しばらく雑談にいそしむ。
大学も卒業してしまったし、自由な時間は以前よりも多いくらいだった。

　「……さて、そろそろ行くかな」

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