過去ログ - 【ラブライブ】穂乃果「忘れちゃうなんてひどいよ」
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37:名無しNIPPER
2014/12/27(土) 12:28:14.45 ID:mDp6caxS0


「ほ、穂乃果、ちゃん……っ」


はぁはぁと息を切らして希ちゃんが追いかけてくる。
今、希ちゃんから何を聞いても穂乃果には受け入れられない気がした。

だって、あんな場面を見ておいて希ちゃんの言うことを素直に聞く方が無理だよ。


そう思いながら希ちゃんの次の言葉に耳を傾ける。
けれど、飛び込んできた言葉はどれも穂乃果の予想していなかった言葉で。






「えりち、きっともうすぐ穂乃果ちゃんのこと思い出すと思う」






意味が分からずに…いや、意味はわかるんだけど……うまく理解ができなくてただ希ちゃんを見つめる。
気休め、として受け取ってしまえばそれまでなんだろうけど希ちゃんの表情からそうでないことは察しがついた。



「きっと、思い出しかかってる。でもえりちはそれを拒んでるんよ。怖がってる。」

「……穂乃果を思い出したくないってこと?」


そう質問を投げかけると、希ちゃんはバツが悪そうに「そうなるやんな」と呟いた。



……手当たり次第にネットや本で収集した記憶喪失についての情報が頭に浮かんだ。

本人の思いで思い出せるか思い出せないかが決まること、その人にとって必要のない存在なら思い出す確率は低いこと。



もしそれが本当なら。
絵里ちゃんが、穂乃果を思い出すことを拒否したら穂乃果がどれだけ頑張ってもこの先絵里ちゃんが穂乃果を思い出してくれる可能性はほぼない。


今やっていることも全て無駄になるということ。





……思い出してくれなくていいなんて嘘だった。
確かに1から始めて友達になれれば、とは本気で思って今までやってきた。

けれど、穂乃果にはあるのだ。
絵里ちゃんにはない、絵里ちゃんと過ごした日々の記憶が穂乃果にはある。

穂乃果も一緒になって1から始めるなんて到底無理なことだった。
最初はよくてもいずれ歪みが生じる。
絵里ちゃんには初めての光景でも穂乃果にとっては何度も見た光景になることもある。

そんなの耐えられるわけなかった。

思い出してもらわなきゃ、進めないのだ。
穂乃果も絵里ちゃんも。


思い出してくれなくていいなんて。
そんなの強がりでしかなかった……。







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