過去ログ - 橘ありす「見上げる空は遠いけど」
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2:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 18:52:09.13 ID:pkgmGLlu0

はらりと降り落ちた粉雪が、溶けてディスプレイを歪めました。そのひずみの玉を、撫で払うように拭いました。
けれど、後から後から降ってきて、キリがありません。メールはいつまでたっても、ぐにゃぐにゃと曲がったままでした。

少年「ホワイト・クリスマス!」

母親「そうだねぇ。そうそう、何が欲しかったんだっけ?ライブ見て、デパート行くまでに決めておいて」

少年「うんっ。サンタさんに、お手紙書かなきゃ!」

私より何回りも小さいだろう、男の子の歓声をきっかけにして。……本当は、何が理由でも良かったんでしょうけど。ただでさえ賑やかだった通りに、魔法のパレードみたいな華やかさが加わりました。

ありす「……今年も、の間違いでしょ」

マフラーをキュッと締めなおし、タブレットを強く抱きしめて。凍てつく空気を振り払うつもりでーー街そのものから逃げるような気持ちでーー事務所のゲートをくぐりました。
泣きべそをかきそうなってた私を見ても、守衛さんは何も言わないで、ただ首を振るだけの挨拶をしてくれました。



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