過去ログ - 【モバマスss】湯川学「アイドルか。実に面白い」
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2:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 18:49:31.64 ID:RD0cxtYA0
冬のこの時期はイベントが多い。

普段は静かなこの大通りも、この季節だけは幸せそうな人々で埋め尽くされる。

近くで催しでもあったのだろうか、芸能人の笑顔がプリントされた袋を下げた人もちらほら見受けられる。

通りを左右から挟むビルの群れ。
一方からは絶え間ない電車の音が。もう一方からはビルの向こう側、川を挟んで存在する遊園地の音と、黄色い歓声が。

そしてそれをかき消すような、人々の喧騒。
寒さにも負けじと自分の幸せを堪能する人々の勢いは、日が沈んでも衰えることはなかった。



その大通りから伸びる、川へと続く通りのうちの一本。

所々で道路工事が行われており、おびただしい数の車両で奥まで見渡すことはできない。

もちろん大通りから外れて、わざわざそちらへ逸れるような物好きなどいるはずもなく。

時折、ビルの間から見える遊園地の明かりを、気まぐれに見上げる人がいるくらいか。

その通りの前を、多くの人々が通り過ぎる。
ある人は静かな微笑みを湛えて、またある人は喜びに目を細めて。



そして、その勢いがピークに達したころ、



鋭い悲鳴が上がった。



気づいた人々は、驚き、あるいは面倒臭げに、それぞれ通りを見る。

いや、見上げる。

そして、目撃する。



夜空を背景に、まっすぐ落ちていく人の姿を。



何処から?何故?彼らに答えを与える間もなく、逆光に照らされた影は、音を立てて地面に打ち付けられる。

幸せに満ちた空間に、連鎖するように悲鳴が広がる。

我に返った人々が、我先にと落下点へと向かう。


そして、彼らが工事車両の裏側、惨劇の正体を覗き込んだとき、彼らが見たのは



_________何の変哲もないアスファルトだった。


悲鳴を上げ、地面にたたきつけられた人間は、何の痕跡も残さず、



煙のように消えてしまったのである。



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