2: ◆IWuyJvzLOZKF[saga]
2014/12/27(土) 07:22:49.60 ID:HSj1W9VK0
……まさかトイレからゾロゾロとお仲間が出てくるとは。
トイレに集団で行くのは女の子の特権だと思っていた上条の偏見が見事にぶち殺された瞬間だった。
「結局頼んでた料理が来る前に飛び出しちまったと思ったら、挙句にまだ食ってもないのに食い逃げ扱いされてるし。 何なんですか、この不幸はっ!?」
頭を掻きむしりながら、路地裏から大通りへと一気に飛び出す上条。
突然飛び出してきた不審人物に驚きで目を丸くする通行人達には脇目も振らず、上条はそのまま走り続ける。
しかし既に最終下校時刻を過ぎているというのに、まだ随分と人が多い。
それも目に付くのはカップルばかり。
盛るなら部屋の中でにしろ、と独り身の上条は心の中で絶叫する。
そして上条は走りつつ、チラリと自分の右手に目を向けた。
そこに宿る力もこんな状況ではまるで役に立たない。
不良を倒す力があるわけでも、テストの点も上がらなければ当然女の子にモテたりもしない。
この街で何の力もない無能力≪レベル0≫と烙印を押された特異な力。
「うぅ、不幸だ、不幸すぎます! コンチクショーーーーっ!!」
携帯で増援を呼ばれたり、バイクなどを持ち出されないためにも、不良の集団を完全に振り切ることはできない。
わざと相手に殴らせて体力を奪うボクシングの戦法のように、適度に「上条当麻」という餌をチラつかせつつスタミナ切れでぶっ倒れて貰わなければ。
あくまで上条の目的は「人助け」で、無駄に殴りあわずとも諦めさえてしまえばこちらの勝ちなのだから。
しかし我ながら完璧、誰も傷つかないパーフェクトな解決方法だと思いながらも、
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