32: ◆IWuyJvzLOZKF[saga]
2015/01/01(木) 22:39:05.10 ID:43R1FdOh0
そして上条には美琴が何について調べていたか心当たりがあった。
赤いテレフォンカード。
美琴が話を切り出したタイミングといい、スキルアウト内で取引されていることといい、何も関係ないと思う方が難しいだろう。
まさか美琴が行方不明になってるとは夢にも思ってなかったが、やはり赤いテレフォンカードに関わる何かに巻き込まれている可能性が高い。
それが一刻を争う事態なのか分からないが、いくら少しは手掛かりがあったところで上条一人にできることは高が知れている。
上条は赤いテレフォンカードについて二人に話そうとしたが……。
「やはり端末の履歴が念入りに消されていたのは、何か調べていたからなんですね」
「え?」
「お姉様は電撃使いの頂点に立つ方ですから。 その力を用いて外部からは分からぬようハッキングすることも十分可能ですの」
「……つまり足が付かないように、何について調べていたか痕跡を残さないようにしてたってことか?」
「確かにお姉様はハチャメチャな部分もありますけど、本当はとても心優しい方ですの。 きっと私達を巻き込むまいとして……」
美琴が本当は優しいと白井は言っているが、残念ながらその言葉を手放しに受け入れることを上条はできなかった。
今まで散々迷惑を掛けられていたし、本音を言えば絶対に関わり合いになりたくないタイプの人種だ。
それでも上条の胸を閊えさせているのは美琴が吐いた一つの嘘。
その理由が分かってしまったが故に、上条にはもう目を逸らすことができない。
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