4: ◆IWuyJvzLOZKF[saga]
2014/12/27(土) 07:24:46.98 ID:HSj1W9VK0
「もしかして後ろの連中が追ってくなくなったのも」
「うん、めんどいから私が焼いといた」
パチンと少女の髪の毛先から散った青い火花を見て、上条は本気で頭を抱え込みそうになる。
この少女と上条は初対面という訳ではない。
ただしかれこれ三ヶ月近く顔を合わせているにも拘らず、お互いの名前すら覚えようとしていない。
つまり友達になろうという訳ではないのだ。
「久しぶりに顔を見たかと思ったらこれだもんな。 はぁー、不幸だ」
「溜息吐きたいのはこっちよ! アンタが余計な真似したせいで、無駄な労力使っちゃったじゃない」
「無駄な労力って、格下の不良をいたぶることかよ?」
「別にそれが目的だったわけじゃないわ。 まあ最初からアイツらには少し痛い目を見てもらうつもりだったけどね」
「お前なぁ」
少女の名前に興味はないが、少女の持つ力を上条は今まで嫌というほど身を以て味わされていた。
「記憶術」やら「暗記術」やら何たらという名目で学生達が「脳の開発」を平然と時間割りに組み込んでいる場所。
それが上条達が暮らす街『学園都市』のもう一つの顔だ。
「脳の開発」を経て学生達は超能力を発現させ、その力の強弱によって六つのレベルへと振り分けられる。
その中でも最上位に位置する真に超能力者と呼ぶべき力の持ち主レベル5。
レベル5は人口230万人の学園都市でも七人しか存在せず、そして彼女はその第三位に位置するまさに1/328571の天才だった。
いくら武装した不良集団であろうと、彼女の前では赤子に等しい。
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