46: ◆IWuyJvzLOZKF[saga]
2015/01/25(日) 09:45:58.19 ID:D6PZ2FqV0
「どっかで見てるんだろっ!? いるんだったらさっさと顔を出しやがれ!」
今の質問。
それは意味があるのか分からないこれまでの質問とは異なり、まるで上条を狙い澄ましたかのように身に覚えのあるものだった。
上条はすぐ近くで見張っている人間がいる筈だと周囲を見渡すが、電話ボックスの周辺はシンと静まり返り人の気配は感じられない。
「何なんだよ、お前? どうして俺のことを知っている?」
電話ボックスに戻った上条は思わず感情のままに受話器に向かって質問をぶつけていた。
何処の誰だか知らないが、この録音音声の主は間違いなく上条のことを知っている。
それも上条が学園都市に来る以前のことまで……。
確かに過去も含めて上条のプロフィールを調べ上げることは不可能ではないだろうが、何の為にそんなことをしたのか?
上条がこの公衆電話で赤いテレフォンカードを使うことを決断したのはつい先程で、これでは上条の行動を予知していたと言わんばかりだ。
「御坂をどこにやった? 答えろ!」
上条の中で疑問が膨れ上がるものの、今はそれに構っている暇はなかった。
姿の見えない電話でどのようにして上条の存在を特定したかしらないが、どうやらこの質問はただ録音音声を繰り返していた訳ではないらしい。
それならば今も電話の先に美琴を何処かに連れ去った人間がいる可能性もある筈だ。
自らの疑問を掻き消すように、上条が今一番知りたい答えを電話に求めると、
『ジジ……ジジジ、本当にその答えを知りたいか?』
一瞬ノイズが走った後、電話の音声がクリアなものへと切り替わる。
先程までの録音された女の声ではない。
何処か無機質で中性的な印象を受けるが、今の声は恐らく男のものだろう。
そして今度は一方的な録音音声ではなく、ちゃんと会話が通じるようだ。
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