7: ◆IWuyJvzLOZKF[saga]
2014/12/27(土) 07:28:01.36 ID:HSj1W9VK0
「何よ、その顔は? 文句があるならやっぱり相手になってもらいましょうか?」
「いえいえ、滅相もございません!」
再び大きく火花を散らした少女を前に、上条は激しく顔を横に振る。
あれだけ気性の荒い少女が妙に大人しいのは逆に薄気味悪く感じるが、『不幸』を回避できるならそれに越したことはない。
そして見逃してもらえるなら、上条がこれ以上この場に留まる理由もなかった。
「じゃあ、俺はここら辺で……」
「ちょっと待って」
だが背を向けて立ち去ろうとした上条を、何故か少女が引き留める。
見逃してくれるんじゃなかったのかよ、と心の中で溜息を吐きながら、上条は恐る恐る少女の方へと再び振り返った。
「あの、まだ何か?」
「……聞きたいことがあるんだけど、赤いテレフォンカードの噂って知ってる?」
「赤いテレフォンカード?」
流石にテレフォンカードは上条も知っているが、学園都市ではあまり馴染みのないものだった。
科学の最先端を行く学園都市でも、公衆電話は各地に点在している。
ただし携帯電話がこれだけ普及している今、その利用目的は付随している無料のルーターが殆どだ。
そもそも上条は利用したことすらないため、学園都市の公衆電話でテレフォンカードが使えるかも分からない。
「その様子じゃ聞いたことはなさそうね。 知らないんだったら別に構わないわ」
「おい、その言い方だと何だか気になるじゃねえか」
「噂の中身自体はそこら辺にありふれた都市伝説よ。 ただその赤いテレフォンカードっていうのは実在して、何か人体に悪影響を与える磁気を放ってるみたいでね」
「うげっ、何だよそれ?」
「どうせどっかのバカがした悪ふざけでしょ? 学園都市でテレフォンカードを使うことなんて殆どないだろうし、もし見つけたら半分に折って処分しといてくれない?」
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