過去ログ - 【らぶらいぶ】花陽「自分にできること」
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31:名無しNIPPER
2015/01/07(水) 22:34:28.89 ID:8LvdeLui0


何か話題を出そう、という気持ちにもならず淡々と足を前に出す。

もう少しで花陽の家という時、いきなりぴたっと凛ちゃんの足が止まった。



「……凛ちゃん?」

「かよちんは、さ。凛がかよちんのこと忘れたらどうする?」



少しだけ震えていた凛ちゃんの声。
無理に笑うこともせずに俯いて花陽の言葉を待っていた。


もちろん、凛ちゃんが花陽のこと忘れるなんてそんなことはないと思いたい。
忘れても思い出してくれると思いたい。

……けれど、そんな言葉は恋人である穂乃果ちゃんを忘れてしまった絵里ちゃんを目の前で見た手前気休めでしかないことはわかっていた。




「もう一度、友達になるかな」


凛ちゃんが顔を上げて花陽の目を見つめた。


「かよちん…」

「すぐには無理かもしれない。だけど、こんなに仲良くなれたんだからきっとまた仲良くできると思うんだ」

「も、もし凛がかよちんのこと突き放したら……?」

「花陽は諦めない。嫌われても頑張ってまた凛ちゃんと友達になる!」



綺麗事にしか聞こえないかもしれない。
だけど、これが精一杯の花陽の気持ちだった。

難しいことなのはわかってる。
どんなに辛いことなのかも。
だけど、凛ちゃんは花陽の1番の友達だから…諦めて失くしちゃうほうが嫌なんだ。


「かよちん……」

凛ちゃんは一粒、大きな涙をこぼすと優しく花陽を抱きしめた。


「凛も、同じ。もし、もしかよちんが凛のこと忘れちゃってもまた友達になる。またこうやってかよちんの1番の友達になれるように頑張る」


制服越しでもわかる凛ちゃんの温かいぬくもりを感じながらそっと目を閉じる。

絶対なんて有り得ない。

だけど、もしかしたら不可能を可能にすることはできるかもしれない。


なら、自分が出来ることを今はしっかりやろう。
誰かに迷惑をかけないように。


「じゃあ、またね凛ちゃん。また明日」

「うん、また明日にゃ!」


さっきよりすっきりした顔をして笑顔で手を振る凛ちゃんを見届けて、花陽も家に入った。


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