過去ログ - 【らぶらいぶ】花陽「自分にできること」
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名無しNIPPER
2015/01/14(水) 00:02:20.99 ID:GklBtJbM0
あまりの恥ずかしさに、咄嗟に視界に入ったタイトルの本を海未ちゃんに差し出す。
「また懐かしいものを…」
「うん、有名なお話だよね…!憧れちゃうなあ、永遠の愛とか」
「ふふっ、花陽は乙女ですね、文化祭で劇などやる機会があればジュリエットをやってみたらどうですか?きっと似合いますよ」
口に手を当てて、楽しそうに提案する海未ちゃん。
は、花陽がジュリエット!?
花陽はそんなに女の子らしくないし、かっこよくもないし……それに、それにジュリエットだったら……
「ジュリエットなら、きっと海未ちゃんの方がお似合いだよ!!」
「……!!」
そうだよ、だってこんなに綺麗で凛々しくて…
「わ、私がジュリエット……!?恥ずかしいですそんなの……」
こんなことで顔を真っ赤にさせちゃうくらい純粋で、可愛くて……本当にお姫様みたい。
確かにいつも紳士だし、王子様は似合いそうだけど。
こーんな可愛い海未ちゃんを引き出してあげられないのは悔しすぎるから、やっぱり海未ちゃんはジュリエットだね♪
「そんなことないよ、海未ちゃんはすーーっごく可愛いもん。」
「な、な!何を言っているのですか!そんなこと言っても何も出ませんよ!」
「でも本当のことだから……」
「……穂乃果も、そう言ってくれました。自分で言うのも何ですが普通ならば私はロミオが似合う立場のはずなのに、穂乃果だけは私は絶対ジュリエットだと言って…。
まさか花陽にも同じことを言われるとは思わなかったのでびっくりしてしまいました」
胸がズキン、と痛んだ。
(やっぱり、穂乃果ちゃんには敵わない…)
(だけど…)
「…もし、海未ちゃんがジュリエットなら花陽はジュリエットの背中を押す通りすがりの町人になります!」
「なんですかそれ、そんな役ありませんよ」
ぷっと吹き出す海未ちゃんを見て安堵する。
こうやって、花陽は海未ちゃんを笑顔にできればいい。
一番になれなくても、ずっと。
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