過去ログ - リヴァイ「まだ蝉は鳴いている」
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6:ODA兵士長[saga]
2014/12/28(日) 15:58:47.74 ID:m6DbtnHa0
子供の頃、俺は病弱で、入退院を繰り返していた。

満足に体育の授業にも参加できず、笑顔で走り回るクラスメートたちをただ眺めているだけだった…

しかし、幸か不幸か俺は環境に恵まれていた。

特に中学生の《この日記をつけていた時期の》クラスメートたちは、毎週休日になれば病室の俺を見舞いに来てくれた。

それに、復学すれば勉強を見てくれたし、発作を起こして倒れこんだりしないように俺に付き添ってくれたりする親切な人間だった。

教師だって、滅多に学校に来れない俺のために授業を1時間潰して復学パーティを開いてくれるほど優しい人だった。

それこそが、子供の俺にとっては不幸だったのだ。

彼らは親切"過ぎた"、俺にとって…

親切心から来る彼らの行動は、子供の俺を"丁重に扱う"ものだった。

傷つけないように…

苦しまないように…

孤立しないように…

まだ人の悪意を知らなかった俺はその行為の裏を疑うことはしなかった。

しかし、その親切は確かに苦痛だった。

何一つとして自分で成し得た実感がない。

全てが誰かの助力にによってのみ成り立っている。

そんな生活に…

そしてそれを提供する"親切な"人間達に…

嫌気が差してしまった。

今思えばそのせいだったのかもしれない。

俺の病状は悪化し、それまでよりも長期の入院をすることになった。

それでもまだ、心配してくれる級友たちに対し、陰でこんな悪態を吐いていた。

恥ずかしい…


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