過去ログ - リヴァイ「まだ蝉は鳴いている」
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9:ODA兵士長[saga]
2014/12/28(日) 16:00:57.49 ID:m6DbtnHa0
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毎日のように泣き続けている蝉達が本当に存在するのか…

それとも実は誰かしらが録音したものでも流しているのではないのか…

そんな益体もない疑問を持って病室を抜け出したときのことだった。

木を見上げていたオレの背中に、1人の少女が声をかけてきた。

少女「おにーちゃん、遊ぼ?」

それが第1声だった。

快活で人懐っこそうなソプラノボイスで、肩越しに一瞥すればそれは小学校低学年くらいの、容姿のあどけない少女がだった。

明るい笑顔を浮かべたその姿はまさにクラスの中心人物、人気者といった雰囲気。

クラスの"お荷物"であるオレにとってこれ以上嫌味な存在もないというものだ。

リヴァイ「うるせぇ、どっか行け」

少し動かした顔を再び木の幹に向け、背中越しにそう言った。

しかしガキはオレの言葉を意に介さず、背中に飛びついてきたのだ。

少女「ねぇ!遊ぼうよっ!何してるのー?」

夏が過ぎたとはいえ、さすがにまだ気温はそう下がっていない。

そもそも人嫌いなオレに、さらに暑苦しく引っ付いてくるこのガキは邪魔以外何者でもなかった。

リヴァイ「蝉を観察してるんだ。邪魔だからどっか行け」

暑さで思考力が鈍っていたのだろうか…

正直に答えてやれば満足すると思ったのだろうか…

本当のことを口にしてしまっていた。

チッ…クソ…そう思った時にはもう遅い。

少女「そうなの?じゃあ私も見る!」

予想通りというか、意に反してというか…

ガキもここに居座ることになってしまった。

さらに、どういうつもりか胡座をかいた状態のオレの膝の上に乗っかってきたのだ。

重い…

ウザい…

暑苦しい…

そう思い何度もガキを振り払ったが、諦めることなく何度も膝の上に戻って来た。

しまいには目に涙を浮かべ始めた…

この世にガキの泣き声ほど苛立つものがあるだろうか…?

そう思ったオレは仕方なく、ガキが膝に乗っかるのを許してやった。

どうせ二度と会うこともない。

今我慢すれば済む話だ…

その日は結局、ガキのせいで蝉は見つけられなかった。


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