過去ログ - 真姫「世界の中心で」凛「にゃーと叫ぶ!」
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34:名無しNIPPER[saga]
2015/01/04(日) 22:57:49.29 ID:cddtIqvI0
「あ、真姫ちゃん!かよちん!いらっしゃいにゃ!」

夏期講習の帰り、花陽と一緒に私は凛のお見舞いに来ていた……のだが、今日は先客がいた。

「やっほー!二人とも久しぶりだね!」

そこにいたのは元μ'sのリーダー、高坂穂乃果。茶色い髪にサイドテールと、あの頃と変わっていないが、少しだけ化粧している。

「穂乃果、どうしたの?」

「ちょうど今帰省中で、穂むらで新商品ができたみたいだから、凛ちゃんのお見舞いついでで持ってきたんだー」

「真姫ちゃんも食べなよー、すっごく美味しいにゃーー!」

穂乃果とは、凛が入院し始めた頃、1度μ's全員で集まって、お見舞いに来て以来だった。凛の手には抹茶色のほむまんが両手に一個ずつ握られている。

「穂乃果ちゃん、大学はどう?」

「うん、すっごく楽しいよ!自分の好きな授業とれるし、2限からの日は朝寝坊できるしー、講義で作ったお菓子は食べられるしー」

「へぇー、いいなぁー!凛も行きたいにゃー!」

「じゃあ早く、治さなきゃね!ファイトだよ!」

「…うん!ありがとう穂乃果ちゃん!」

滅多に会えない穂乃果との再開に、いつもよりテンションの高い凛。μ'sの先輩の中でも特に仲はよかったし、その顔はとても嬉しそうだ。
凛は、病気のことを皆に話してはいない、それか凛本人も聞かされていないのか……いや、「治さなきゃ」という言葉への反応を見るかぎり、きっと……。

「………」

花陽を交えて楽しそうに話している一方、私はいつも通りに振る舞えずにいた。凛は、少し痩せた。元々スレンダーだった彼女だが、少しだけ痩せこけた頬は、不健康な印象を与える。


「真姫ちゃん?」

名前を呼ばれ、我に返る。顔を上げると3人が心配そうな顔で見ていた。

「大丈夫?顔色悪いみたいだけど……」

そう言って凛は私の手を握ってくる。病人に心配されるなんて、何やってんのよ私……

「ご、ごめん、大丈夫よ!ちょっと考え事をーーー」

慌てて取り繕うように言葉を繋ぎ、凛と目を合わす。

ーーー不意に、その背後に死神が見えた気がした。




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