過去ログ - 【艦これSS】提督「壊れた娘と過ごす日々」 02【安価】
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31: ◆oeBS4v7bwY[saga sage]
2015/01/01(木) 22:16:41.77 ID:hRfevxO0o

 その睦月でも駄目だった。

 良く考えれば当然だった。

 なぜならば、睦月もまた、伊58の事を知らなかったのだ。

 だから彼女の境界線が分からず、心を撫でられなかった。

 そして、それを見て俺は、心のどこかで安心したのだ。

 俺が上手くいっていないのに、来たばかりの睦月では難しいだろう、と。

 情けないにも程がある感情だった。

 要するに、俺は。

 睦月に先を越されなくて安心したのだ。

提督「……くそ」

 水に映る自分の顔が腹立たしく思い、一気に飲み干した。

 口の端から水が零れ落ちる。咳き込みながらグラスを叩くように置いた。

 勝手に使命感を燃やし、勝手にそれに執着し、あまつさえ嫉妬にも似た感情を持つなど、人として最低だ。

 きっとそれは、既に提督として最低な俺だからこそ至ったのだろう。

 伊58を守りたいと思った。

 その立場を守りたいと思った。

 もう何も失いたくなかった。

 あまりにも矮小で卑劣な男だった。




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