過去ログ - 【オリキャラ】ファンタジー世界で異能バトル【地の文】
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10:名無しNIPPER[saga]
2014/12/30(火) 14:45:17.18 ID:ua/RWuYL0



「!」


 ゲゲログの足元に魔力が集中するのを感じた少女・ルーナは、驚いて一歩後ずさる。

 彼女が魔力の動きを察知してからきっかり三秒後。

 ルーナがなにか行動を起こす前に、“それ”は発動した。


「―――『悪魔の沼』!!」


 ずぶっ……という違和感を感じ取った時には、もう遅い。

 銀髪碧眼のエルフは、人懐っこい笑顔を驚愕の表情に変える。すでに足首までが泥の沼に飲み込まれ、身動きが取れない。


「ちょっ、ちょ……!? いきなりなに!?」

「どうせなに言ってるかわからねェなら、生かしといても意味ねェだろ」


 ゲゲログは両手両足を泥の沼につけ、泳ぐようにしてルーナへと突進する。


「死ねッ!!」


 ゲゲログの凶悪な爪が一閃。

 とっさに身体を庇ったルーナの左腕が切り裂かれ、血しぶきを上げる。

 続けてゲゲログの、岩をも砕く牙がルーナの幼い身体を喰いちぎろうとした、その瞬間。


「『転移』!!」


 一瞬でルーナの身体が消失し、ゲゲログの牙が空を切った。

 なにが起こったのかは理解できなかったが、どうやらあのエルフの少女もなにかしらの能力を持っていたのだろうとゲゲログは結論する。

 彼は異能『悪魔の沼』を解除して、地面を石畳へと戻す。するとそこには、少女の血痕だけが残った。


「……俺以外にも、ここに来てるヤツがいやがったのか」


 ゲゲログは注意深く遺跡の内部を見渡す。

 見たところ人の気配はないが、少なくともエルフが一人、息を潜めていることは確実だ。

 立体的なこの遺跡では、隠れるところはたくさんある。不意打ちする側が圧倒的に有利な立地であると言えよう。

 しかしあの出血なら、そう動き回ることもできないはず。

 どうせ遺跡の石板を読むことができないのなら、まずは邪魔者を排除してから、ゆっくりと探索しよう。

 そう結論したゲゲログは、素早く遺跡の陰に姿を隠した。



 ・・・・・・





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