過去ログ - 【オリキャラ】ファンタジー世界で異能バトル【地の文】
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211:名無しNIPPER[saga]
2015/02/02(月) 00:05:41.65 ID:K0amUGRX0



 ・・・・・・



「……お前は、一体……?」


 突如として空から舞い降りてきた獣人に、目を白黒させるギンジとロミオド。

 その問いは至極もっともだが、しかしガザドリと名乗ったニワトリの獣人は、目の前のヲルルと向き合ったまま、


「私には……もう、護るべきものがないのだ」


 【三種族共通言語】で、そんなことを独白した。

 当然、ガザドリが何を言っているのかはギンジにもロミオドにもわからない。ロミオドに至っては、そもそも【三種族共通言語】さえわからない。

 それでもガザドリは、真剣な声色で続ける。


「……もしも貴様らに“護るべきもの”があるというなら、それを護りに行くが良い。ここは私に任せろ」


 ふざけた外見とは裏腹に、ガザドリの目は至って真剣そのものだ。

 その気迫に、ギンジは彼を信じてもいいかもしれないと、少しだけ心を傾かせる。


「妻を護れなかった私にできるのは、“手伝うこと”と“伝えること”……それだけだ」


 ゆっくりと、ふらふらした足取りで近づいてくるヲルルを、迷いのない瞳で見つめるガザドリ。

 並みの精神なら相対することさえ躊躇う外見のヲルルを前にしても、彼は微塵も緊張を感じない。

 それだけの覚悟を秘めてこの場に立っているというのもそうだが、そもそも彼に恐怖や緊張などという感情は存在しないのだ。

 だからこそ、白目を剥いたヲルルに迫られても、眉ひとつ動かさずに、


「ニワトリ拳法―――『朝六時の目覚め』!!」


 なんとなく、素人目にも無駄が多そうな奇妙な動きによって繰り出されたガザドリの拳が、ヲルルへと叩きこまれる。

 獣人の攻撃にしては派手さもなく……ヲルルも吹っ飛ばされるようなこともなく、ただよろめいて転倒しただけだった。

 しかしそれが逆に、功を奏しているとギンジは考える。





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