38: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 04:22:44.34 ID:dm/Enhbf0
魔王「さて、それはそれとして。君がどうして彼らに追われていたのか……だけど」
天使「……」
魔王「言えない事なんだね?その剣に関係する事かい?それだけでも答えてほしい」
39: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 04:23:11.43 ID:dm/Enhbf0
魔王「……君には君の事情がある、僕には僕の考えがある。だからこうして君を助けた、君はそれを受け入れた。それでいいじゃない」
天使「……本当に、変わったヒトですね」
魔王「よく言われるよ。まぁ、君はそれを儲けものだと思ってしばらく安静にしていればいい」
40: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 04:23:48.24 ID:dm/Enhbf0
天使「……実は」
天使「実は、兄を探しているのです」
魔王「……話してもいいのかい?」
41: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 04:24:15.60 ID:dm/Enhbf0
天使「かつて、兄は天界において最強とまで謳われる戦士でした」
天使「強く、優しく、誰よりも誇り高く」
天使「そんな兄でしたが、妹の私にはすごく甘い人でした」
42: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 04:25:13.85 ID:dm/Enhbf0
天使「神に仕える天使兵……神兵達。口では言いませんが、自分たちを神と同等と信じて疑わない彼らは、兄を武力で抑えつけ、私を人質としました」
天使「誰も、兄にも私にも味方をしませんでした。私たちの仕える神に、秘密裏に処理される形で……」
天使「そうして兄は私を庇い、地上へと堕とされ……堕天しました」
43: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 04:25:43.31 ID:dm/Enhbf0
魔王「……それで、君は別件で地上に降りたついでに、そのお兄さんを探したいと。そう考えている訳だ」
天使「いえ。堕天した天使は地上で平穏に暮らせるワケも無く、天界から通常の天使兵や神兵が刺客として送られます。ですのでもう……」
魔界「諦めているのかい?」
44: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 04:26:15.66 ID:dm/Enhbf0
天使「神兵は狡猾です。もし彼らが手を下したのなら、地上への干渉の痕跡と証拠を揉み消すことも彼らからすれば容易いかと」
魔王「堕天使の討伐は箔がつくんじゃないかい?それなら、彼らが見下す地上人に隠す必要も無い」
天使「確かに、神に取り入るには良い口実と名誉になります……まだどこかに情報は在るかもしれない、と?」
45: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 04:26:41.79 ID:dm/Enhbf0
魔王「そこでさ、僕からの提案があるんだけど」
天使「提案ですか?」
魔王「そ、君を僕ら魔王一味の仲間に加えたいと思うんだ」
46: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 04:27:07.63 ID:dm/Enhbf0
魔王「……いいよ、勿論君には拒否する権利がある。本来の目的が何なのかこちらが分からない以上、これ以上の譲歩は出来ないけど……検討してほしいな」
天使「譲歩してないじゃないですかー!……そうですね。ごめんなさい、少し時間をください」
魔王「うん、それで構わないよ」
47: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 04:27:38.02 ID:dm/Enhbf0
……
魔王「……」
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