597: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/01/03(土) 00:14:07.45 ID:A6FDrUyF0
側近(フュリクの腕まで食いちぎった聖剣の聖骸布……お前が本当に守りたかったものは……何なんだ)
魔王「……ナツィア、僕はね、君と……君の兄さんと一緒に歩いて行ける、優しい世界を目指したいんだ」
魔王「これからどんな事があるか分からない、途中で挫折してしまうかもしれない。君が傍に居てくれたら……そんな事にもならないと思ったんだけど」
魔王「僕は信じられないんだ……君がいなくなってしまったことが……君を失ってしまった事が……」
魔王「またいつものように、朝起きれば君がとなりに居て、一緒にご飯を食べて仕事をして、そして城に帰れば君が出迎えてくれて……」
魔王「ひょっとしたら、こうして話している間にも、またひょっこり君が起き上がって僕を窘めてくれるんじゃないかって思えるんだ……でも」
魔王「でも君は……もう……こんなにも冷たい……」
側近「ッ……」
側近「……フュリク、帰ろう。ナツィアさんはちゃんとお城に連れて帰るから」
魔王「うん……うん、大丈夫だよ、僕は……僕は強いから、強く在るから……だから、ナツィア、悲しまないで」
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