614: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/01/03(土) 00:24:50.80 ID:A6FDrUyF0
魔王「グッ……!」
「ッ!」
魔王「だ、大丈夫……ちょっと持病でね。片腕が無ければ身体もボロボロ、ハハ……不摂生が祟ったね」
615: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/01/03(土) 00:25:51.44 ID:A6FDrUyF0
「お父様……?」
魔王「ん、ハル。先に行っていなさいって言ったろう?どうしたんだい?」
「隊長がもうご飯作ったから早く帰って来いってセピアが言ってた」
616: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/01/03(土) 00:26:26.00 ID:A6FDrUyF0
勇者を見送った
その剣で彼はきっと、僕達とは違う方法で同じものを目指すだろう
その時が来るまで待とう、その時が来るまでにセピアとハルを……
617: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/01/03(土) 00:27:00.22 ID:A6FDrUyF0
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618: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/01/03(土) 00:27:42.34 ID:A6FDrUyF0
側近「戴冠式ですが、滞りなくハルモニア様に王位継承が出来ました……ご立派でしたよ」
魔王「ああ、見に行けなくて残念だ。せっかくの君の晴れ舞台なのに」
「……私は未だに納得が出来ません」
619: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/01/03(土) 00:28:31.58 ID:A6FDrUyF0
「やはり私には荷が重すぎます……お父様が築き上げてきたこの国を、私が背負う事は……」
魔王「もう泣き言は言わない約束だよ、ハル」
「お父様!」
620: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/01/03(土) 00:29:03.31 ID:A6FDrUyF0
魔王「……さて、君たちをここに呼んだのは他でもない。もうすぐ僕は……死ぬ」
「ッ!」
側近「……今日が山場と聞きましたが、随分と元気そうですね」
621: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/01/03(土) 00:29:30.36 ID:A6FDrUyF0
魔王「……今日から、君は立派な魔王だよ」
「お父様……」
魔王「僕の跡を継ぐんだ、泣いてなんていられないよ。魔王は泣かない」
622: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/01/03(土) 00:30:36.21 ID:A6FDrUyF0
声が遠くなる
二人が僕に呼びかける声が……
今思ってみれば竜爺と同じで後悔だらけの人生だったな……いや魔生か?
623: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/01/03(土) 00:31:52.71 ID:A6FDrUyF0
コレは、始まりの物語に過ぎない
僕の残した意志は、未来へ繋がっていく
彼らでダメならその次の代で
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