過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
1- 20
109:名無しNIPPER[saga]
2014/12/31(水) 22:11:01.16 ID:gIGEqEoto

「どうぞ、こちらへ」

少女は、カードを納めた書物を閉じると、天使のような笑顔を崩さぬまま、俺の手を引いて歩き始めた。成すがまま。とでも言わんばかりに、俺は無言で、その幼い背中を見失わぬよう、歩みを進める。
迷路のように入り組んだ赤い回廊を、少女は迷わずに進んで行き、途中で、いくつかの下り階段を降りた。

「あの、ここは」

「タルタロスの地下、深層『モナド』と呼ばれるエリアでございます」

滑り気を帯びた階段を降りながら、少女は、俺を振り返らずに言う。
何と言うことだ。俺は三十四階から、一気に地下まで落ちてきちまったってのか。

「ご無礼をお許しください。あなたをこちらへと導いたのは、私の意志でございます。本来ならば、私のほうから伺うべきででしたが、なにぶん、地上は空間が不安定ですので」

そういえば、先ほどからしばらくここにいるが、どこぞの道の作りが突如変化したり、壁が出現していたりといった、超常現象を目の当たりにした覚えがない。地上のタルタロスと違い、地下は空間とやらが安定しているのか。

「到着いたしました」

ふと、少女の歩みが止まる。見ると、突き当たりの壁に、これまでに見たものとは風体の異なる、青い片開きのドアが立っていた。

「ようこそ、ベルベットルームへ」

少女が俺を振り返り、変わらぬ笑顔を浮かべながら、青いドアのノブをつかむ。ガチャリ。と、乾いた音と共に、ドアが開かれる。
その瞬間、ドアの向こうから光があふれ出し、俺は思わず目を閉じた。



………



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
261Res/374.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice