過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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17:名無しNIPPER[saga]
2014/12/31(水) 18:18:41.76 ID:gIGEqEoto

「……日本史?」

がば。と、上体を起こし、脳裏に浮かんだその単語をつぶやく。
確か、俺は一昨日、四科目も同時に出された宿題を前に、頭部に痛みを覚えたという記憶があった。
しかし、昨日俺がこなしたのは、現代国語、英語、世界史の三科目。
……日本史のノートが、鞄の中にあった記憶はない。

まさか。と、ベッドから飛び起きた俺は、鞄の中身を確認する。
しかし、やはり、そこに日本史のノートは見当たらない……これがどういうことか、疑いようがない。

「忘れたのか。学校に」

低い不協和音が、頭の中で鳴り響く。
高等学校で勉学に励んだことのあるものになら、この事態がどれほど拙いものだか分ってもらえるだろうか。
まして、今は七月中旬。テストも終わり、消化試合のように、夏休み前の瑣末な時間をすごしている時だ。
逆に言うと、二年のこの時期に宿題を忘れたりしようものなら、内申にダイレクトに響きかねない。

「……まだだ、まだ間に合う」

胸の中に、焦りの炎が灯ってゆくのを感じながら、俺は時計を睨んだ。
時刻は二十三時二十五分。自転車を飛ばせば、三十分ほどで学校に着く。
夜の学校に侵入する手筈については、以前、ハルヒから聞かされたことがあった。
夜警を雇っていない我が北高は、一部の生徒しか知らないとあるルートを使えば、夜間でも問題なく、学校内へと忍び込むことが出来るのだ。

「……行くしかない」

勉強机の前から立ち上がった俺は、自転車の鍵を手に取り、机の上から必要なものだけを選び、着たままになっていた制服のポケットに詰め込んだ。
この時点で、俺は宿題への執念に染まっており、とてつもなく大切なことを忘れてしまっていた。
おそらく、誰もが察しているだろう。あの冷たい時間が、今夜も訪れるであろう、ということをだ。


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