過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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20:名無しNIPPER[saga]
2014/12/31(水) 18:24:26.50 ID:gIGEqEoto

「ここは……」

ぼやけた全身の感覚を、ゆっくりと慣らしながら、体を起こす。
視線を下に向けると、自分が、冷たいリノリウムの床の上に倒れていた事が分かる。
周囲を見回すと、古びた金属の棚や、体育のマットを丸めたようなもの。会議用の長机などが、不規則に置かれている。
そこはどうやら、北高の校舎内の、どこかの一室であるようだった。

「……何がどうなったんだ」

呟くと、周囲の壁がその音を拾い、わずかに反響した。
こめかみに指を当て、自分が一体、どういった状況にあったのかを思い出す。
そう、俺は学校に忍び込む途中で、零時を迎えて……直後に、あの地震に見舞われた。
校舎の中に自分から入った覚えはない。そもそも今いる場所が、校内のどこにあたる部屋なのかも、周囲の様子からでは確認できなかった。
……気を失っている間に、誰かに連れてこられた、とか?
一瞬、頭に浮かんだ考えに、胸の奥が冷たくなる……こんな得体の知れない状況で、自分以外の誰か……何かがいるなんてことは、できれば考えたくない。

コチ、コチ。
ふと、たった今自分を目覚めさせた音が気になり、身の回りを見渡すと……昨晩手に入れた、あの時計が転がっていた。
この時計が動いている……つまり、今はまだ、『零時のまま』なのだろう。
文字盤を見てみると、長針が六を指している……つまり、零時を迎えてから三十分ほどが経過している、ということだろうか。

……大人しく、帰ろう。
心臓が嫌なリズムで脈動している。
もう、ノートの事などどうだっていい。身の安全を確保するのが最優先だ。
先ほどの現象が一体何であるのかなど、一切気にならない。あれは夢だ。夢なんだ。俺は早く家に戻り、もっとまともな夢を見るべきなのだ。
よし。と、立ち上がり、すぐ後ろにあった、壁に取り付けられた窓から外の様子を窺おうとして……俺は固まった。

その窓からは、大地が見えなかった。
遠くまで、明かりの一切ない街並みが見渡せて、それが漆黒の空と重なって、綺麗な地平線を描いていた。


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