過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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217:名無しNIPPER[saga]
2015/01/01(木) 21:04:02.13 ID:t8V4LTxho


 ―――ハルヒもまた、心を食われている。


 ―――『混沌』に。


混沌。
ハルヒの言う『あいつ』というのが、その混沌という奴なのだろうか。ハルヒはそいつを受け入れ、一つになったと言った。
しかし、そいつは、一体何のために、ハルヒに真実を教えたのだろうか。それだけでは飽き足らず、俺たちや、伊織たち。長門までもを巻き込んで、ハルヒの力を強めることを促した……それによって、そいつに、何の得があるのだろう。

「やらなきゃいけない事は、あと、ひとつ……このモナドの塔から、あんたたちの存在を消してしまえば、私とモナドの間を遮るものは、何もなくなる。そして……私は、世界を作り直すの。あんたたちにも、悪い話じゃないでしょ?」

ハルヒがそこまで話し終えると、世界は、周囲に吹き荒れる風の音だけを残して、止まってしまったように思えた。誰も口を開こうとはせず、ただ、憂いを帯びた表情を浮かべるハルヒを、十人の視線が射抜いていた。
そうして訪れた、数秒ほどの沈黙の後で、ハルヒは再び口を開いた。

「もう、この世界は、おしまいなのよ。私は全てを知ってしまった……もう、何も知らなかった頃には戻れない」

ハルヒの表情から、微笑みが消え、悲痛な小声が、俺の鼓膜にかろうじて届いた。

「全てを作り直すしか、手段はないのよ。これから先の未来なんて、誰も幸せになれないって、分かりきってる。それが、あんたには分からないの?」

ハルヒは、僅かに伏せた瞳に俺を映しながら、痛みを堪えるような語調で話しながら、最後に、俺に視線を向けた。
その視線を受け、俺は、考える。
―――ハルヒが、全てを知ってしまった
果たして、これから、世界はどうなるのだろう。
世界の全てが、涼宮ハルヒに委ねられる―――それが一体どんな未来を産み得る事態のか、考えようとしても、まるで誰かが、そこに立ちふさがっているかのように、想像することができなかった。

「私の力が、全てを壊してしまう前に……私は、世界を作り直すの。それが―――私の、みんなへの、償い」


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