過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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232:名無しNIPPER[saga]
2015/01/01(木) 21:19:01.00 ID:t8V4LTxho

「……私は、この宇宙を生きる者たちの、普遍的無意識の化身。遥か古代より、人の営みを見続けてきたものだ。全ては、人という生き物が、完全たる存在になる時のために。私は、弱き者を、奈落の底へと引きずり込む役目を持つ」

ふと、気づく。最初はハルヒの声であったそいつの声が、徐々に濁った何かに変わり始めている。

「しかし。私はもはや、人が完全な生き物へなれる日などが来るとは思っていない。遥か古来より、人は影を積み重ね、愚かな、醜い生き物へと変わってきた。
 もう、人間という生き物は、終わってしまっているのだよ。これ以上、進化の可能性などはありえない」

進化の可能性。その単語が、俺の頭に引っかかる。そうか。こいつは、長門の親玉と似たような存在だってわけか。

「この人の世には滅びが必要だ。私は過去に幾度となく、その滅びを齎そうとした。しかし、その度に、愚かな人間たちが……自分の影も知らぬ者たちが、フィレモンに唆され、私の邪魔をした。だが、今回は違う。私は見つけたのだよ。人の世に、確実な滅びを与えることのできる力を」

そう言って、ハルヒの姿をしたそいつは、ハルヒの手を、ハルヒの胸元に当て、気の遠くなるような薄笑いを浮かべた。
―――その滅びとやらを、ハルヒの力を使って、齎そうって言うのか。

「この女の力を手にするために、私はこの女の精神を、影なる時間、そして、そこに聳える混沌の塔として具象化させた。私がすこし唆してやったら、この女は、喜んで私を受け入れたよ。
 私はこの女の精神と同化し、この女が、自らの普遍的無意識へと、足を踏み入れてゆく、その過程を共にした。そして、今……私とこの女は、女の持つ力の全てを手にした。
 後は、この女という個体が消え去ればいい。全ての力は、我が手に移り、世界に滅びの時が訪れる。……まさか、最後の行程までもを、貴様らが担ってくれるとまでは思っていなかったよ」

「……涼宮さんを、騙したということですか」

不意に聞こえた声に、俺と、ハルヒの姿をしたそいつとが振り返る。振り向くと、古泉と、その体を支えるアイギスの姿があった。

「騙した? それは違うな。この女もまた、滅びを求めていたではないか」

ぐつぐつと喉の奥を鳴らしながら、そいつが言う。

「自らの力の大きさに耐え切れず、この女は滅亡を求めたのだ。望みを現実へとかえる、その力に、自分が飲み込まれてしまうことを恐れた。
 この女は聡明な人間だ。自らの愚かさ、弱さを知っていた。私はこの力を使って、この女が望んだとおり、滅びを齎してやるのだ」


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