過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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40:名無しNIPPER[saga]
2014/12/31(水) 19:33:28.98 ID:gIGEqEoto


………

時を増すごとに、迷宮は混沌の色を帯びていった。空間の変化は頻繁に起こり、ほんの数秒前に通りがかった道さえも、振り返ると全く別の構造に変わっていたりする。
俺たちは、はぐれないよう、不本意ながら可能な限り接近しあいつつ、あちらこちらに不定期に存在するドアの中に、俺たちにとって見知った場所へ続くものがないか、確認しながら、歩みを進めていった。
古泉が持参してくれた、制服の上着のおかげで、寒さは幾らかマシになった。こいつ自身も冬用の制服を身にまとっており、まるで影時間の中の様子を知っていたかのように準備がいい。
果たして、俺たちは今、地上何階にいるのだろうか。時折見つけられる窓からは、依然として、大地からは遠い景色が見渡せた。

化け物どもは、不定期に、ここまでで五、六回ほど現れた。しかし、いずれもあのナイフの化け物のような大物でなく、ダンテの羽ペンをひと振りすれば撃退できるような連中ばかりだったのが救いか。
いつ、そいつらと遭遇してもいいように、俺は常に、ペルソナを召喚できるよう、精神を研ぎ澄まし続けており。精神力がガリガリ音を立てながら摩耗されてゆくのを感じていた。そろそろSAN値を補給したい。

「このあたりは、特別教室が多いですね」

目に付いたドアを開け、室内を見回しながら、古泉が言った。促され、覗いてみると、そこは第二音楽室のようだった。たしか、一分ほど前に調べたドアは科学室へと続いていた。その前は多目的室だったか。
これまで、おそらくこの迷宮オリジナルのものなのであろう、見覚えのない部屋が多かった中、ここ数分で見つけた部屋は、いずれも俺たちに馴染みのあるものだ。

「それに、先程から、構造が変化する頻度が落ちています。このあたりの空間は、やや安定しているという事でしょうか」

第二音楽室のドアを閉めながら、古泉。

「長門に向けて、黒板にメッセージでも残してみるか? 現実に届くかもしれん」

「試してみる価値はありますが……元の時間帯に届いたとしても、校内で噂にでもなって、涼宮さんの興味を引いてしまうと厄介なことになりますね。もっとも、彼女の傍から離れている僕らの心労に繋がることはありませんが」

「ふむ」

と、短く唸った後、気づく。
そうだ。なぜこんな重大なことを忘れていたのだろう。


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