過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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5:名無しNIPPER[saga]
2014/12/31(水) 18:03:54.51 ID:gIGEqEoto
壁に掛けた時計に視線を向けると、室内をほのかに照らす月光の中で、秒針と短針が、仲良く真上を指していた。
零時ジャスト。眠っていたのは、三時間半ほどか。
それにしても、寒い。半袖の寝巻きだけでは、鳥肌が立つほどに。
寝なおすにしても、何か羽織るものはないだろうか。俺は暗がりの中で目を細め、室内を見回し―――気づく。

「あ……電灯も切れたのか?」

室内は、窓から差し込む月光以外に、光を放つものがなかった。
眠りに着く前に、電灯を消さなかったことを覚えている。
……このあたりから、俺は何か『妙』だと考え始めていた。
俺の脳裏を、とある単語がよぎる。

閉鎖空間。
それが何であるか、説明する必要はないだろう。
俺はまた、いつだかのように、ハルヒの創り出した閉鎖空間に招待されてしまったのだろうか。
しかし、その空間は。俺が記憶している閉鎖空間の概要とは異なる点を、いくつか持っていた。

「……空が明るいな」

窓の外には、かつて俺の見た灰色の空や、見知った夏の夜の空は存在しなかった。
代わりに、緑がかった漆黒の空と、異様に明るく、どこも欠けていない、真円の月。
そして、澄み渡った冷たい大気。いずれも、俺の知る限りで、普通ではない事だらけだった。

「ダメだ……寒い」

三度、肌寒さを覚え、俺は、壁に掛けたまましまい忘れていた、制服のブレザーを寝巻きの上から羽織った。
なにしろこれから夏の盛りという季節だ。他の半纏だのジャケットだのは、引き出しの奥底へしまいこんでしまっていた。
保温性のない生地だが、無いよりはマシだ。
すると、次に、別の震えが、体の奥底から湧き出してきた。


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